ユーロ/円相場は、102~104円を中心としたレンジで揉み合う展開に。スペイン債利回りが再び上昇傾向を強めるなど、欧州債務問題を蒸し返す動きがユーロの上値を圧迫するも、現段階では特にパニック色はみられないことで、ボックス気味の相場展開になっている。特に決め手となるような材料は見当たらず、ポジション調整中心の小動きに終始している。
ギリシャのユーロ圏残留のために必要な緊縮財政措置の議会採決が早ければ週内にも行われるのを控え、ここにきて再びギリシャリスクも警戒される状況になっている。欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)はギリシャの財政目標の達成期限を2年延長することを認める可能性を示唆しているが、いずれにしても135億ユーロの追加緊縮財政策を実現することが前提条件と見られている。このため、政府と議会が合意点を見出せるか否かによっては、再びギリシャのユーロ離脱リスクが顕在化する可能性もあるため、その結論が出るまでは積極的にユーロリスクを背負うことが難しい状況になっている。このため、当面はユーロの上昇余地は限定されよう。
一方、スペインに関してはラホイ首相が救済要請を迫る圧力に抵抗を続けており、問題長期化の可能性が一段と高くなっている。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は前月にスペイン国債の格付けを引き下げているが、それが改革圧力につながらないことで、マーケットはスペイン債に対する売り圧力を再び強めている。スペイン10年債利回りは10月下旬に5.3%台を割り込んでいたが、足元では5.7%台に達しており、まだパニック色はないものの、ユーロの上値が圧迫され易くなっている。
今後1週間の予想レンジは、102.00~104.80円。